奥尻島上陸まで
朝5時前目が覚める。トイレに行って、もう一眠りしようとするが、だんだん目がさえてくる。外は思っていた以上に寒い。厚手のフリース、持ってきてよかった。
乗船時間までたっぷり時間があるので、このフリースを着て、「三本杉岩」を見にいく。海水浴場から200mほど南の展望台からは、3つの岩を一枚の画像におさめることはできない。もっと南に進むと、上記ウェブサイト掲載の写真のように、3つの岩がならんでみえる場所があるのだろう。
車に戻り、軽く腹ごしらえをしたあと、フェリーターミナル近くに移動して、1時間ほど横になる。
午前8時過ぎ、乗船手続き。8時40分頃、フェリー入港(左画像)。この様子をビデオ撮影する。
9時、乗船。9時35分、定刻通り出港。船内で横になると、急に眠気が襲ってくる。船内ではほとんど寝ていた。ちょっともったいないことをした。
奥尻フェリーターミナルから青苗地区まで
11時20分、予定通り奥尻島に到着。寒さはあまり感じられなかったが、風はかなり強そう。腹ごしらえをしてから出発する予定だったが、食事する場所が少なく、どこも満員だったので、とりあえず青苗まで走ることにする(12時05分)。
ナベツル岩
300mくらい走ると、奥尻島の象徴ともいうべき「なべつる岩」。さっそく写真を撮ろうとするが、何故かバッテリー切れ。充電はしっかりしてきたはずなのに・・・ 😓 。フェリーをビデオ撮影した後、止めたつもりが止めていなかったようだ。
民宿までの途中にある「ホヤ石の滝」の撮影もできないのか・・・?何のためにここまで来たんだ・・・? しょっぱなから出鼻をくじかれる・・・ 😢 。とりあえず、携帯で画像だけおさえておく。
想定外の強風に心が萎えそう
さらに南へ進む。民家もなくなり、向かい風がもろにあたる。それも半端な風ではない。ギヤをアウターに入れることができない。
チャリ通だと平地無風で、25km/hくらいで楽に順行できるが、その半分くらいしかスピードが出ない。さわやかに、軽快に走る当初のイメージは、完全にくずれさる。
ドンヨリした暗い空、デジカメのバッテリー切れと合わせ、精神的落ち込みときつい走りに辟易する。そんなこともあって、第二の目的地、「うにまるパーク」(やや急な坂をのぼる)はパスすることにする。
たえずふき続ける強風。風でこんなに走りづらい思いをいたのは、約30年前、まだ学生の頃の北海道1周サイクリングで、興部から枝幸に向かう行程以来だろう。
しかし、このペースで進んでも、1時間後には青苗につくだろう、青苗から神威脇までは逆に強い追い風になるわけだし・・・、と、気持ちを切り替えて、あせらず進む。
走り出して小一時間、暗かった空も少し明るくなり、吹く風も少しだけだが弱まってきたころ、海をはさんで青苗地区が見えてきた。13時過ぎ、青苗地区にはいる。
海老寿亭のイカ丼が絶品だった
とにかく腹がへっていたので、食堂(食べ処海老寿亭 居酒屋さんだと思う)に入り、イカ丼を食べる。このイカ丼のうまかったこと・・・ 🙂 。ここの食事はお勧め度(☆☆☆☆☆)。
それと、ここでデジカメのバッテリーを充電させてもらう。30分ほどの充電で、どれくらい持つかは不明だが、少なくともこの後控えている「ホヤ石の滝」の撮影くらいはできるだろう。腹が満たされて、デジカメも復帰。気持ちも充実してきた。
青苗地区
海老寿亭を出ると、曇り空が一転して、青空に変わっている。風もかなり弱まっていた。ここから2kmほどの青苗岬に足を進める。
ここには平成5年の北海道南西沖地震で、大津波におそわれた場所で、その災害の記憶を残す「奥尻島津波館」、その際犠牲となった方々の慰霊碑「時空翔」などの施設をもつ、緑地公園となっている。時空翔の前で黙祷をささげ先に進む。
青苗地区からホヤ石の滝
西海岸は追い風に乗って快適な
岬から来た道を戻り、海老寿亭を越えるとまもなく、西海岸にぬける道に入る。ここからしばらく海の景色とはお別れ。ややきつめの坂を上っていく。
といっても最初だけで、緩い傾斜を2kmほど走れば100mにも満たないピークを越え、後は下るのみ。海から離れている間は、風がほとんど感じられなかった。
瞬間最高55,5km/hで下りきると、また海岸にもどる。天気はすっかり回復し、青空の下、今度は強い追い風に助けられて、宿まで快調に走る事ができるぞ・・・。
ホヤ石の滝
と思ったら、すぐ、右の崖から水が落ちているのに気づく。水量はそれほどでもないが、落差はけっこうある。30m近くはあるだろう。これが今回一番の目的である「ホヤ石の滝」に違いない。
海老寿亭で充電したバッテリーが、どこまでもつか不安だったが、ひたすら動画、静止画をおさめる。下は、愛車ESCAPE R3とのコンビ。
一通り撮影を終えた後、今度はいつここに来ることができるだろう、いや、もうないかもしれないよな、という思いがわいてきて、なんか去りがたい気がしてきた。後ろ髪を引かれる思いで、先に進む。
ホヤ石の滝 (奥尻町) | 北海道の滝めぐり 〜リターンズ〜
景色を楽しみながら西海岸を北上
強い追い風を受けながら、西海岸をESCAPE R3で走る。とても気持ちがよい。
西海岸は東側の海岸とは、同じ島とは思えないほど、趣が異なっている。進行方向右手には断崖が続き、所々深く切れ込んだ地形がある。
海側は、海水浴するにはもってこいの砂浜が、いくつもある。また、いくつもの奇岩が点在し、そのアンバランスな景色は、見ていて全くあきない。
以下、いくつか特徴のある風景を、画像におさめたので掲載しておく。
ホヤ石の滝からそれほど離れていない場所の断崖。水の流れが見られるが、今時期だけで、夏以降は枯れるものと思われる。
平らな海岸に突如現れる、巨大な岩。(ホヤ岩と呼ばれるものか?)
延々と続く断崖が、突如深くえぐれて、深い谷を作っている。
この岩は、それほど大きなものではないが、遠くからでも目をひかれる。モッ立岩と名付けられてるようだが、その由来は大人の笑い話から来ているようだ。案内看板に、詳しく書かれていた。
またしても海岸に巨大な岩が・・・。
(カブト岩と呼ばれるものか?)
こんな滝状の流れも・・・。
北追岬
ホヤ石の滝を出発し、西海岸の写真を撮りながら、およそ1時間、先のカブト岩(?)を越えてまもなくすると、平地に別れを告げ、ゆるい上りに入る。登りきったところに、北追岬の看板があったので、道道を左折し、行けるところまで行ってみることにする。
この丘陵に全体が、公園となっているようで、遊歩道がいくつも分岐している。キャンプ場もあるようだ。
下は、公園内からみた北追岬。
公園内には、いくつかのモニュメントがあり、目をひかれる。詳しくは「奥尻町観光協会」のウェブサイト内こちらのページを参照してもらいたいが、その中からいくつか掲載しておく。モニュメントを全部撮影しようと思ったが、ここで再びバッテリーが切れる。それにしても、海老寿亭さんでの30分ほどの充電で、よくここまでもってくれたものだ。あらためて、感謝・・・ 🙂
神威脇地区に到着、温泉、宿泊
北追岬公園を出てすぐ神威脇地区
北追岬をESCAPE R3で散策している途中、北側の海岸沿いに、民家の集落が見えた。きっと、あれが今日宿泊する神威脇なんだろうな・・・。
北追岬をあとにし、道道に戻るとすぐ下り道。50km/hを越えるスピードで、一気に駆け下りる。5分もかからなかったであろう。下りの途中、神威脇地区にある3軒の宿泊施設の一つ、「奥尻湯ノ浜温泉 ホテル緑館」への分岐を見つける。
民宿かきざき
集落にはいってすぐ、今日宿泊する「民宿かきざき」さんを見つける(下写真)。
午後4時少し前。150mほど先には、奥尻島唯一の温泉、神威脇温泉の建物が見える。きさくそうなおばさんが出てきて、部屋に案内してくれた。「屏風立岩」という名前がついていた。
部屋にはいると、疲れが一気に出てきた。10分ほど横になったあと、ご飯までは時間があるので、明るいうちに温泉にはいることにする。おばさんに、そのことを告げると、入浴券を出してくれた。神威脇で宿をとると、どこで宿泊しても温泉入浴券をだしてもらえるものと思われる。
神威脇温泉
民宿かきざきから歩いて2分弱、神威脇温泉に到着。
1階の風呂は、家庭風呂を一回り大きくしたくらいの小さなもので、ちょっとがっかりしてしまったが、すぐ2階には大浴場があることに気づき安心する。
夕日というにはまだ早い時間だったが、海の景色を眺めながらゆっくりとつかる。こういうのを至福の時というのだろう・・・ 😀 。帰り道、ホテル緑館から歩いて温泉に向かう人とすれ違ったが、温泉にはいることを考えれば、宿は「民宿かきざき」さんにして大正解だったと思う。
夕飯はウニづくし
夕方6時から晩ご飯。刺身、なべはウニづくし。あわびの刺身も・・・。ここ2、3年すっかり食が細くなった管理人には、食べきれないほどの量。
豪勢な、そして奥尻ならではの心づくしに感謝。本当にうまかった。機会があれば、またここに泊まりたい。
というわけで、この日の記録は終了。明日は朝7:30ころ出発予定、かつ峠越えを考えているので早めに床に入る。
本日の走行距離:36.73km
(この記事は旧自宅サーバから転載したものです)